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昨年末、C-C-Bのメンバー笠浩二(1962-2022)さんが脳梗塞のため60歳の若さで亡くなりましたが、糖尿病を患っていたようです。糖尿病に罹ると命に関わる病気を併発する可能性がある一方、治療や生活習慣の改善によって乗り越えられるものでもあるので、しばしば大きな話題となってきました。たとえば、古くは作家の夏目漱石(1867-1916)や演歌歌手の村田英雄さん(1929-2002)、昨年亡くなったプロレスラーのアントニオ猪木さん(1943-2022)も糖尿病と闘っていたことが知られています。
糖尿病というのは、血液中のブドウ糖の濃度を調節する機能が狂い「高血糖」が続いている状態です。ブドウ糖そのものは食事を消化吸収して得られるエネルギー源ですし、なかでも脳のエネルギーになるのはブドウ糖しかありません。ただ、ブドウ糖が増えすぎると中性脂肪に変化し、脂肪細胞の中に蓄えられ、それが肥満につながります。また、高血糖が続くと血管の内皮細胞を傷つけると考えられており、動脈硬化の原因になります。脳梗塞や心筋梗塞もそうした血管の老化から引き起こされる病気です。
血液中の脂質の働きも見逃せません。脂質は、糖質やタンパク質に比べて約2倍のエネルギーを生みだす上に、細胞膜やホルモンの構成要素であり、生体機能のさまざまな役割を担っています。ただこの栄養素も、たとえば「LDL(悪玉)コレステロール」が高血圧などのきっかけで血管に沈着し、内皮細胞に入り込んで変質することになって動脈硬化の原因となります。「脂質異常」というのは、中性脂肪やコレステロールの適正値を外れた状態を言います。
いずれの栄養素も生命維持のための重要な役割をもつと同時に、量的なバランスを欠くと問題が生じます。そのため、内臓脂肪の蓄積に加え「高血糖」「脂質異常」「高血圧」のうち2つに該当すると「メタボリックシンドローム」と診断されるわけです。